i-031 三井不動産レジデンシャル(施工・三井住友建設、杭工事:旭化成建材)の横浜のマンション不同沈下に関する考察 その2
今回の建物の沈下の原因として発表されているのは、杭が強固な地盤まで到達していないのでは、ということです。
しかし、2015.10.22現在の調査で、旭化成建材の現場管理者と杭を実際に施工した工事会社の担当者は、「杭が強固な地盤まで到達していないなんてことはない」と証言しています。、施工記録やデータの管理がずさんだったことは認めていますが、杭は強固な地盤まで到達しているとしています。
ここでは、証言の真偽に関しての論評をすることはできないので、もし、杭が強固な地盤まで到達していたとして、それでも建物が沈下する可能性はあるのか?ということを考察します。結論から言うと、杭が強固な地盤まで到達していても、建物が沈下する可能性は、「ある」ということです。
上の図は、杭の未到達によって建物が沈下するメカニズムを、下の図は、杭が強固な地盤に到達していても、建物が沈下するメカニズムを図示しています。
杭を施工する場合、地下数十メートルの深さで、穴を掘り、そこに杭を挿入していきます。この時、穴を掘り終わり、杭を挿入するまでに、杭の孔壁が崩れ落ちて穴の底に土砂が沈殿します。この沈殿物をスライムと言います。現場で穴の中に鉄筋とコンクリートを挿入して打設する現場造成杭、工場で製作された杭を穴に挿入する既成杭、いずれの場合も、穴を掘り、掘った穴の底にはスライムが沈殿しています。底ざらいバケットやエアリフトなどにより、このスライムを取り除いてから杭を施工しないと、杭の底に柔らかいスライムが残ることとなり、どんなに立派な杭を打っても、杭の底が柔らくては、建物は沈下することになります。
しかし、このスライムを除去する作業には、時間とコストがかかります。見積段階で、スライム処理のための底ざらいバケットや、エアリフトなどの装備のためのコストと、スライム処理のための時間を工程に組み込まなければなりません。この作業がどれほど大切なものか、不動産会社・ディベロッパーの担当者は理解しているでしょうか? ゼネコンの現場管理者は、わかっているでしょうか? そして、実際に杭の工事をする工事業者の担当者はわかっているでしょうか?
発注者である不動産会社・ディベロッパーの担当者は、本社から言われたコストと工期をその妥当性を検証することなく、ゼネコンに押し付けていませんか?
発注者である不動産会社・ディベロッパーから、コストダウンと工期短縮を命じられたゼネコンの営業マンは、そのまま現場監督にデベさんの要望だからといって、難問を丸投げしていませんか?
ゼネコンの現場監督は、下請け業者に、値引きと工期短縮を押し付けていませんか?
この流れの途中に、一人でも、建物の安全性と品質を守るためには、このコストと工期では無理なんだと、主張する人がいれば、問題は未然に防ぐことができると思われます。
たぶん、そんな正論を主張する空気が、今、無くなってしまっているのかもしれません。
すべての分譲マンション生産システムに言えることではありませんが、姉歯事件も今回のような事件も、その多くが分譲マンション工事で発生していることに、注意を注がなくてはならないと思われます。
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