i-013-01  建築づくり 失敗しますか?
 プロローグ・阪神淡路大震災の悲劇
−本文− 
建築づくりの成否は、工事が完成したときに決するものではありません。大地震や台風などの自然災害への対策の成否は、それぞれの自然災害に襲われたときに初めて結果が出るものです。また、手抜き工事なども、それによる症状が3年後に発生するのか、あるいは10年後に発生するのか予測が付きません。症状が出たときに初めて建築づくりの失敗に気づくということになります。
 また、建築づくりをトータルに考察した場合、どれほどすばらしい建物を作っても、それだけでは決して成功とはいえないのです。どんなにすばらしいマイホームをつくっても、長年に渡るローンの返済が滞りなく済まなくては、建築づくりの本当の成功は訪れません。現在もたくさんの方々が、リストラや会社の倒産によって、ローンの返済ができなくなり、マイホームを失った上に、借金が残ってしまうという状況に追い込まれています。
 また、現在大きな社会問題になっているコンクリート構造物の劣化も、社会問題になったときに気づいても、もはや手の打ちようがないのです。先日あるテレビ報道番組でも特集されていましたが、まだ購入して7年しか経過していないマンションのコンクリートが、すでに15年以上の劣化状況を示しているという報告がありました。購入された方々は、これでは資産価値が半減し、売却しようにも値段が付かない上に、むなしいローン返済だけが残ってしまったと、途方にくれていました。
 このようにみてくると、建築づくりの成否は、どれだけ将来発生するであろうリスクを予測し、それに備えた計画を立てられるか、そしてその計画に従って忠実に実行できる十分な能力を有した関係者を選択できるかにかかっていることにお気づきいただけると思います。
 この 「 建築づくり 失敗しますか? 成功しますか?」 というレポートは、比金工務店が40年の長きに渡って、たくさんのお客様の建築づくりのお手伝いをさせていただき、お客様の建築づくりの成功を拝見する中で、蓄え育んでまいりましたノウハウをまとめたものであります。
 従って、建築づくりが失敗した事例は、弊社のお客様にはいらっしゃいませんので、むしろどのように失敗を回避してきたかの検証を行い、成文化しております。たとえば、先ほどのコンクリートの問題ですが、我々は鉄筋コンクリートの研究を行うなか、地震に対する柔軟性や品質管理の完全性等の観点から、鉄筋コンクリート造をできる限り避け、重量鉄骨造を主構造として御提案してまいりました。一般的には鉄筋コンクリート造の方が強いという間違えた通説が流布しておりますので、お客様からは質問をお受けすることがありましたが、その都度、それぞれの構造の長所・短所を御説明させて頂き、主構造を決定してまいりました。最近の鉄筋コンクリートに関する報道などを御覧になられたお客様から、やはり鉄骨造にして良かったと御連絡を頂いております。
 建築づくりを広く、そして深く捉え続けて、仕事をさせていただいてまいりました比金工務店のノウハウが、これからマンションや建て売り住宅を購入される方々や、住宅やアパート・マンションをお建てになる方々の、建築づくりの成功に、少しでもお役に立てれば幸いです。

−本文−
 平成7年1月17日午前5時46分、淡路島北端部を震源地とするマグニチュード7.2の大地震が発生しました。観測史上初めて震度7の激震を記録したこの阪神大震災は、その被害においても、我々の想像をはるかに越えるものであったことは、まだ記憶に新しいところです。特に高速道路・新幹線高架橋などの土木構造物、そしてビル・住宅の別を問わず建築物全体に及ぼした甚大な被害は、一般の方々だけではなく、我々建築を設計し、施工しているものにとっても大きな衝撃を与えました。
 老朽化し耐力の低下した構築物、手抜き工事による不良構造物の倒壊はもとより、施工は正確に行われてはいるが、使い勝手上1階に駐車場を最大限にとったため、1階の壁が不足しつぶれてしまった建築物など、その被害状況は1つの原因に還元することは不可能な状況です。
 建築を実際に施工している業者・技術者の根本的な技術・知識の欠落も明らかになりました。豪華な石を外装に貼り、高価な化粧を施した立派な建築物がもろくも崩壊している姿を見て、建築に対する建築主の価値観の甘さも、また同時に露呈されたと言わざるを得ません。
 ある報告によると、設計図と全く違った溶接方法で完全に倒壊した建物の追跡調査で、その鉄骨業者を調べたところ、予算がないから図面と違ってもかまわないと元請の建設会社から指示があり、また、その建設業者を調査したところ、施主が見積金額を下げないと発注しないと言われたので、しかたなく施主のわからないところで変更をしたと報告しています。ここではだれひとりとして真剣に建築物の価値を考えている人がいなかったことがわかります。
 阪神大震災の教訓を生かすためには、倒壊した建物の物理的調査のみならず、その生産過程をも含めた調査がかかせないのではないでしょうか。倒壊した建物の下で、我が子を助けることもできず、その死にゆく姿を目の当たりにした御両親の悲しみを忘れてはならないのではないでしょうか。我々は、これからもさらに強く、使いやすく、美しい資産価値の高い建築を御提供させていただくため、阪神大震災の教訓をお客様と御一緒に考えさせていただきたいと願っております。

参考文献 引用 写真
大震災で壊れた建造物 : 第三書館 : 阪神大震災の被害写真満載
日経アーキテクチュア : 日経PB社 : 隔週発行の建築雑誌・デザイン偏重の建築雑誌の中にあって、建築をその経済性・社会性から分析
阪神大震災の教訓 : 日経PB社 : 阪神大震災の被害を専門家のレポートを交えてまとめている
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